夜間飛行

限界外資リーマンの偏見

外資転職レポvol.1 給料編

三年前、新卒で入った会社を辞めて外資系企業に転職した。

一つの会社には最低三年勤めよという、まことしやかにささやかれている謎基準の三年を迎えたが、なんとかまだ勤務を続けられているので記録を残そうと思う。

なお三年勤務を続けられたという自分の成功は(仮にこれを成功しているといえるとして)完全に運によるものである。他の人の輝かしい転職レポ、あれも結局最後は運なので、話半分で読むべきだ。

 

外資系企業は「外資」の一言で乱暴にひとくくりにされて語られがちだが、当然本社のある国によって雰囲気が違い、日本での歴史の長さで雰囲気が違い、業種によって雰囲気が違う。なので転職の参考にするなら同じ国・同じ業界・同じ規模と歴史で比べなければ参考にはならない。

よく厳しい生存競争を勝ち抜く高給エリートとしての「外資」で語られているのは英米系の金融・コンサルあたりではないだろうか。

自分が勤めているのは非英語圏の欧州系メーカーなので雰囲気はイメージより緩いし、給料はイメージより低い。また本社が英語が苦手なことに定評のある国にあり、社員は基本非ネイティブなので英語能力もそこまで求められなかった。

この先も非英語圏の欧州系メーカーの内情を語るので、その点にご留意いただきたい。

 

  • 大きな不満がないなら外資に転職しないほうがいい

外資に限った話ではないが、今現在差し迫った不満がない人は絶対に転職しないほうがいい。とくに比較的安定した企業に勤めているなら「なんとなく将来が不安」「成長したい」等の理由で出ていくのはやめたほうがいい。新卒でも行かないほうがいい。

なぜか。

後で詳しく述べるが、外資日系企業と比べてかなりクビになりやすい。そして日系企業より上司ガチャが重要になる。人事評価は日系企業以上に直属の上司の裁量が大きく、本社との物理的・心理的距離が遠いため監査制度も整っていない。上司ガチャに外れた場合(もしくは運悪く入社早々に部署ごと人事整理の対象になった場合 ※まれによくある)、早々に退職せざるを得なくなり、短期間の退職によって次の勤務先のレベルを下げざるを得なくなり…といった悪循環を回してしまう恐れがある。最低三年我慢しろというが、我慢もクソも外資は三年待たずに簡単にクビになるのである。

またベンチャー的規模の外資には新卒もしくは第二新卒で入社するのもお勧めしない(外資というよりベンチャーの話かも)。単純に教育制度がなく、日本のビジネス市場で働くにあたっての最低限の常識が身につかないからである。そもそもうちの業界では新卒採用をしていないところが多い。

 

  • 給料について

日系企業と比べると高いが、各種手当がごっそりなくなった。また福利厚生があったとしても日本の文化・実情にあってないためまったく恩恵にあずかれなかったりする。

会社によるとは思うがウチの会社ではボーナスは完全に数字で評価され、定められた目標売上(たいていかなり高い)を達成できなければ頑張っていようが優秀でいようがその年は完全に0である。また自然災害や他部署のトラブルによる未達などのやむを得ない事情も一切考慮されない。

逆もまた然りで、さぼりまくっている不良社員やそもそも出社していない社員でも数字さえ達成されていれば、ボーナスはしっかり出る。

年棒部分に関しては昇給テーブルのようなものが存在せず、業績によっては減給もあるので、将来の給与の予測がつかない。また同じ部署で同じ仕事をしていても契約内容が違ったりするので、社員間ではお金の話はタブーな雰囲気がある。